プログラムについて

履修生の声

MD研究者育成プログラムは簡潔に言えば、「M1春から研究室に通い始め、放課後や休日・長期休暇を利用して実験を行い、実験結果をもとに英語で修了論文を書き、卒後大学院に進学する(希望すれば進学せずに臨床医に進むことも可)」というプログラムです。他のプログラムとの大きな違いは、並行して正課の医学部の授業も受講し、普通の学生と同じタイミングで医師免許を取得できる点にあります。わかりやすく言えば、大学生活内の「サークル」の代わりに「研究室での実験」を入れる、というイメージです。
本プログラムへの参加は、正課と研究の両立という大きな苦労を伴いますが、それを上回って多大な魅力があると、すでに参加して二年たつ今、ひしひしと感じています。その魅力を、四点に絞って簡単に述べたいと思います。

①学部生のうちに自分の研究への適性を見極められる。

医学部ではカリキュラム上、他の学部と異なり研究室配属がありません。そのため普通に学部の授業を受けている限りにおいて、研究室に通えるのは最大でも数か月しかなく、そのような短い期間では、研究とはどういう営みなのかを知ったり自分が研究に向いているのかどうかを見極めたりするのは不可能といえます。学部生の間に、空いている時間を研究につぎ込み、それをもとに自分の将来を考えられるというのは、非常に有意義なものだと思います。

②医学部の暗記偏重の授業の中で、発想力・思考力を失わずに済む。

医学部の授業は、覚えることがものすごく重視されます。その傾向は臨床医学において特に顕著で、多くのことを覚えている学生ほど偉い、といった風潮さえあります。もちろんそれは一面的には正しいですが、研究、すなわち新しいものを生み出す世界においては必ずしも成り立ちません。研究の世界で求められるのは、すでに発見された数少ない事実をもとに、可能性の高い、それでいて他の人が思いつかないような優れた仮説を立て、それを自らの手で証明していくという力です。これは実際に研究の世界に飛び込んで試行錯誤していかない限り身につかないものです。医学部の授業を受け、ひたすら暗記をしていると、その力はどんどん弱まってしまうに思います。

③最先端の研究のスキルが身につく。

スキルといっても実験のテクニックに限りません。論文の読み方、ポスターの作り方、データベースからの情報抽出の方法、実験の組み方、考察の仕方、と多岐にわたります。これらを学部生時代に身に着けておくことは、非常に有意義です。また、自らも最先端の研究の一翼を担っているのだという誇りやそこに生まれる楽しさは、何にも代えがたいものだと思います。

④医学研究への強い志を持った仲間との交流が生まれる。

医学研究への熱い思いをお互いに語り合える友人が得られるのはとても幸せなことです。正課と両立してやる研究は、やはりなかなかうまくいかず苦しいことが多いですが、その時に相談できる仲間がいるというのは、心の支えになります。また、自分と同様の道を歩んだ先輩方の話を聞くことで、自分が今後どうしていくのがよいのかを考えるよい機会が得られます。最近では、関東四大学リトリート・全国四大学リトリートなど、他の大学の医学研究を志す学生との交流も始まっており、その仲間の輪が日本中に広がろうとしています。

医学研究に少しでも興味のある人は、ぜひMD研究者育成プログラムに参加してみてください!

(M2 R.K)


東京大学医学部医学科に進学することの大きな魅力の一つは、最先端の医学研究に触れられることだといえます。世界的に有名な教員が、講義でご自身の研究について紹介してくださることも多く、医学科進学後は座学中心なこととあいまって、「研究とはどういうものなのか、自分で体験してみたい」と考える方も少なくないと思います。しかし、そうはいっても、「どこに行けばいいのか」、「どういう手順を踏んで、研究室を訪れればいいのか」など多くの疑問が生じ、次の一歩が踏み出せない方も多いのではないかと思います。本プログラムの一つ目の目的は、そういう方のために「研究室へ通い始めることの敷居を下げること」にあります。

二つ目の目的は、プログラム履修開始後に行われる論文抄読会を通じた、「研究に対する批判的な思考を養う」ことです。課題論文に関する発表を通じ、また他人の発表を聴き適切な質疑応答を行うことを通して、研究者マインドとでもいうべきものを涵養することを目指します。さらに、年次が上がり、履修生それぞれの研究室での実験が進み始めると、成果発表会などの催し物があり、お互いの実験結果に関する議論を通じて「研究に対する目」を磨きます。

プログラムの三つ目の目的は、「プログラムの様々な活動を通じ、基礎研究を志す者同士のネットワーク作り」であると考えています。これは、一見すると様々なイベントを催した結果の副次的産物なのですが、多くの履修生が最も大事な目的と考えているといっても過言ではありません。履修生同士、先輩・同輩・後輩を問わず、研究に限らず様々なことを議論する機会が多く存在するのは、学年間のつながりが薄い医学部では大変貴重なものです。また、多くの学生好きな先生方と、一個人として、お話しさせていただく機会を豊富に頂けるのも、プログラムの魅力の一つだと思っています。こうして作られる、教員や先輩、同級生や後輩とのつながりの価値は、在籍している今でも相当貴重なものであると考えていますが、これから先、きっとその大切さに改めて気付かされることと思います。

(M3 H.T)